『古事記』を読む

文學と逃げず左右思想を持ち込まずスピに走らず学問的蓄積を飛び越えず内在する論理を信じ通説の否定をためらわず

第5回 天地という存在(天地初発から天之御中主神まで⑤)

[今回の内容]天地が意志を持つ存在であるということについて、前回、『万葉集』を題材に、古代の人々の思考においては、決してとっぴな発想でないことをみてきました。しかしながら、天地に意志を認めるとして、それは神ではないのでしょうか。『古事記』の解釈において、神以外に意志を持つ自然物を想定することが可能なのか考察します。

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古事記ブックガイド2 上野誠『日本人にとって聖なるものとは何か』

 

 

 この本は『古事記』について書かれたものではありません。ですが、『古事記』にあらわれている神々の世界について、より身近に感じられるようになること請け合いです。

多神教というと、たくさんの神がいる宗教と考えてしまいがちだが、じつはそうではない。」(p.11)では、多神教とは何なのか。非常に示唆に富んだ本です。

 

オススメ度★★★★★(5つが最高)

第4回 古代の思考法(天地初発から天之御中主神まで④)

[今回の内容]万物に意志が宿っているとする見方は擬人法ではありません。『万葉集』を参考に、古代の思考法について考察します。

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第3回 天地の初発(天地初発から天之御中主神まで③)

[今回の内容]「天地」以前に世界は存在しませんでした。「天地」以前の世界をどう捉えるべきかについて、『古事記』「天地初発」から導き出される結論について考察します。

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第2回 天地初発は世界の始原の表現か(天地初発から天之御中主神まで②)

[今回の内容]『古事記』は「天地初発」という書き出しについて、天と地がある以前が書かれていないということについて考察します。

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古事記ブックガイド1 斎藤英喜『異貌の古事記』

 

異貌の古事記

異貌の古事記

 

 

 本居宣長から折口信夫まで、『古事記』の読解の歴史は、多く解説者による二次創作の歴史であったことが明らかにされる。

 

オススメ度★★★★★(5つが最高)